気が弱いのは、まわりのことをよく考えているから
自分自身、気が弱いのは、いつもまわりのことばかり考えてしまうからだと思うようにしています。
プラスにいい換えるなら、自分よりもまわりのことを優先しまう。
そんなやさしい気持ちが強いからだと考えています。
一時期、私は教職についていたことがあります。
「気が弱い」という自分の短所は忘れて、「自分はやさしい」「まわりのことをよく考えられるんだ」と意識しながら、日々職務に努めていました。
いわゆる、いじめがまだ多かった時代。
私のことを頼って、いろいろ話をしにきてくれる子どもたちが、だんだん増えてきました。
あの先生ならやさしい。
しっかり話を聞いてくれる。
もしかすると、どの子もそんなふうに思っていてくれたのかもしれません。
不思議なことに気が弱く、いじめられがちな子ばかりが私のまわりに集まり、笑顔を見せるようになりました。
そのとき、きっと自分は「この子たちの居場所なのかな」と考えるようになりました。
クラスにいると、馬鹿にされ、いじめられている子どもたちも、私の前では明るく生き生きとした表情を見せてくれる。
それがうれしくてたまりませんでした。
気が弱いこと。
それは「やさしい」という勲章にもなり得るはずだと、教職を辞した今でも、私はそう考えています。