小説に集中しすぎて駅を乗り過ごす
集中しすぎるのが短所なのかなと感じることがあります。
私は、興味が引かれることがあると、そのことだけを考え続けるようになります。頭の中がそのことだけになってしまいます。ほかのことを考えることができなくなります。
ある時、電車の中で小説を読んでいました。ターミナル駅を発車したばかりの電車なので車内は混雑しています。私は左手でつり革につかまり、右手で文庫本を広げていました。
電車に揺られながら小説を読み進めると、どんどんと主人公の冒険が続いていきます。物語は場面が目まぐるしく変わり、場面の展開が急になってきました。私はすっかり自分が主人公になってしまい、物語の世界に集中してしまいました。小説の世界に生きているようです。
小説を読み続けると、ページの途中に文字のない余白が現れ、その章が終わってしまいました。
物語の区切りがついたので、現実の世界に戻り、文庫本から目を上げました。電車の窓を見ると、いつもとは違った風景です。降りるつもりだったいつもの駅は通り過ぎてしまっていました。その上、私の周りを見渡しても、だれも立っていません。目の前の座席にはだれも座っていません。
この短所を克服するために、いつでも周りの様子に気を配るようにしています。最近は駅の乗り過ごしはほとんどなくなりました。